†MAG†さんとモバ友になろう!

日記・サークル・友達・楽しみいっぱい!

Yahoo! JAPAN IDだけで遊べる!今すぐ遊ぶ!

    • 2010/1/25 23:46
    • 友達っていうもの
    • コメント(5)
    • 閲覧(33)
  • "アバター"
    • 今日、学校にチョコレートを持って行きました。
       
      バッグから取り出すと、すぐにみんなが寄ってきます。みんなに分けてあげると、十数個しかないチョコレートはものの数分でなくなってしまうのです。
       
      人だかりという名の嵐が去った後、チョコレートの入っていた箱を覗くと、奇跡的に二つ残っていました。
       
      僕は下校直前に一個食べ、下校中に最後の一個を食べようという計画を立てました。寒空の下、空腹は最大の敵なのです。
       
      最後の授業が終わり、僕はバッグからチョコレートを取り出しました。二つの内の一個だけをつまんで口に放り込みました。
      口の中いっぱいに甘味が広がります。幸せもいっぱいです。
       
      気付くと、そばにいた男が最後のチョコレートに手を伸ばしていました。そいつはさっき嵐を巻き起こした中の一人です。あろうことか、最後の一個まで食べようとしているのです。これでは下校中に食べる分が無くなってしまいます。
       
      「おい馬鹿、やめろ」
       
      僕は言いました。盗られまいと必死でした。言葉遣いに気を使う余裕はありません。
       
      思いのほか、彼はすんなり返してくれました。安心しました。なんせ、最後の楽しみが帰ってきたのですから。
       
      だけどその直後、僕は変な気持ちになりました。チョコレートを僕に手渡す彼の笑顔が、なんだか悲しそうに見えたのです。
       
      彼も僕と同じでした。
      お腹を空かせながら、寒い寒い夕方の道を家まで歩かなければならなかったのです。
      それに気付いた時、僕は惨めな気持ちになりました。手元にある小さな茶色い砂糖菓子よりもっともっと、自分が小さいと感じた瞬間でした。
      そして、咄嗟にチョコレートを彼に押し返しました。
       
      「やっぱ、やるわ」
       
      それだけです。
      その一言だけで、彼の笑顔に暖かさが戻りました。
      チョコレートを頬張る彼の表情は幸せそうでした。きっと、僕が味わった口いっぱいの甘味を、彼も味わっているのでしょう。
       
      それを見ると、ついさっき感じた惨めさも、冬空に登る白くなった吐息のように、いつの間にか消えてしまいました。
      そして彼も幸せな気持ちで家に帰れると思うと、チョコレートなんかじゃ得られないもっと暖かい何かが、僕の心にすうっと広がっていくのでした。
       
       
      おわり。

       
      偶にはこんな書き方もいいかなと思ってやってみた(´・ω・)

コメント一覧

更新する

この日記を違反通報する

†MAG†さんの
最新日記

日記を探す

気になるキーワードで検索

みんなの新着日記