†MAG†さんとモバ友になろう!
日記・サークル・友達・楽しみいっぱい!
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- 2010/1/25 23:46
- 友達っていうもの
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- 今日、学校にチョコレートを持って行きました。
バッグから取り出すと、すぐにみんなが寄ってきます。みんなに分けてあげると、十数個しかないチョコレートはものの数分でなくなってしまうのです。
人だかりという名の嵐が去った後、チョコレートの入っていた箱を覗くと、奇跡的に二つ残っていました。
僕は下校直前に一個食べ、下校中に最後の一個を食べようという計画を立てました。寒空の下、空腹は最大の敵なのです。
最後の授業が終わり、僕はバッグからチョコレートを取り出しました。二つの内の一個だけをつまんで口に放り込みました。
口の中いっぱいに甘味が広がります。幸せもいっぱいです。
気付くと、そばにいた男が最後のチョコレートに手を伸ばしていました。そいつはさっき嵐を巻き起こした中の一人です。あろうことか、最後の一個まで食べようとしているのです。これでは下校中に食べる分が無くなってしまいます。
「おい馬鹿、やめろ」
僕は言いました。盗られまいと必死でした。言葉遣いに気を使う余裕はありません。
思いのほか、彼はすんなり返してくれました。安心しました。なんせ、最後の楽しみが帰ってきたのですから。
だけどその直後、僕は変な気持ちになりました。チョコレートを僕に手渡す彼の笑顔が、なんだか悲しそうに見えたのです。
彼も僕と同じでした。
お腹を空かせながら、寒い寒い夕方の道を家まで歩かなければならなかったのです。
それに気付いた時、僕は惨めな気持ちになりました。手元にある小さな茶色い砂糖菓子よりもっともっと、自分が小さいと感じた瞬間でした。
そして、咄嗟にチョコレートを彼に押し返しました。
「やっぱ、やるわ」
それだけです。
その一言だけで、彼の笑顔に暖かさが戻りました。
チョコレートを頬張る彼の表情は幸せそうでした。きっと、僕が味わった口いっぱいの甘味を、彼も味わっているのでしょう。
それを見ると、ついさっき感じた惨めさも、冬空に登る白くなった吐息のように、いつの間にか消えてしまいました。
そして彼も幸せな気持ちで家に帰れると思うと、チョコレートなんかじゃ得られないもっと暖かい何かが、僕の心にすうっと広がっていくのでした。
おわり。
偶にはこんな書き方もいいかなと思ってやってみた(´・ω・)
- 今日、学校にチョコレートを持って行きました。