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- 2010/4/20 11:25
- 私はアンジェラ・アキです嘘です。
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- 脚を引きずる猫を見た。
黒くて、痩せた猫。
夕焼けがとっくに燃え尽きた空の下、彼の目が金色に光ってた。
雨が降ったり止んだり怒ったり笑ったり、してた。
あなたからの帰り道、耳につけたヘッドホンは鳴らなくて、
周りの音がとてもよく聞こえるの。
その鼻から延びたその管が、私の爪と肉の隙間に押し入ってきて、
ギシギシ音をたてて私を明日へと急かす。
規則正しく弾むその音に、警告音が重なって今日も月が出る。
バスの中で私はおばあちゃんに席を譲ったよ。
おばあちゃんはありがとうと言って、窓を開けて空を翔んだ。
私はおばあちゃんが忘れた杖を届けに行かなくちゃならない。
しなければならないんだ。
ああ、マストにするかハフトゥーにするか、それが問題なの。
あなたは答えられますかミスターサヨナラダンス。
隣に座った高校生はさっきから参考書を読むふりして私の脚を見ている。
多分、私が脚を引きずっているからだ。
そういえば私は随分と痩せてしまった。
そういえば私は随分と小さくなってしまった。
私の目は金色で、あなたの恋は鼠色。
オリオン座のペテルギウスには私のお父さんが住んでいて、
そこに2人で挨拶に行くの。
青筋を浮かべたお父さんがシリウスにいるお母さんに連絡をして、
私達はプロキオンで結ばれるわ。
だからお願い。
あなたはすぐに切符を買って。
銀河鉄道はすぐにやってくるわ。
遠くイスタンブールを越えて、エッフェル塔で大ジャンプ。
柳は諦めて星をつかもう蛙さん。
車掌さんには顔がない。
あらあら素敵、まあ素敵。
銀河系なんか飛び越えちゃえ!!
さあ、翔ぼう。
おばあちゃんに杖を届けるために。
- 脚を引きずる猫を見た。