斑鳩さんとモバ友になろう!
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- 2011/6/19 21:21
- ネフィリムの不思議な夢の話
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ネフィリムが迷ったのは、見たことのないどこかの邸宅の庭。時間的には午後で、鼻につく花の香り。
この庭園は迷路のようにごちゃごちゃしていて、なかなかゴールには着かない。しばらくぐるぐると歩き回ると、何者かの話し声がきこえた。
「今日はどこに行くの?」
「そうだな。今日は母上の誕生日だ。母上の墓に、花を置きに行こうか」
ネフィリムの耳には、明るい少女の声と落ち着いた男の声。歩くにしたがって声は大きくなる。
次第に視界は開けて、手を繋ぐ赤い髪の男と金髪の少女が仲良く遊ぶ姿が見えた。
──赤い髪は魔族の証。
──小さな少女と遊んでいるのは。
──200年前にオルガ大陸を戦争の地に導いた、
「カイゼル…」
ネフィリムは喘ぐように、曾祖父の名を呟く。
ネフィリムは少女に自作の懐中時計を見せるカイゼルに詰め寄る。だが、笑みを見せるカイゼルは止まってくれない。
必死に追いかけているが、刻々とカイゼルたちの影は薄くなる。
「そんな…」とネフィリムが思った瞬間、影が薄くなるのが止まった。
「もう俺様の事を追いかけるのはやめて。この先には見せたくない世界がひろがっているから」
そうカイゼルが呟いた瞬間、優しく背中を押された気がした。
「だいぶ、うなされてましたよ」
目覚めると仮面の不死者が笑みを浮かべてこちらを見つめていた。