★UVER★♪さんとモバ友になろう！
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- 2011/6/17 0:39
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- 時に鏡ともなるブラウン管
映った自分を見て夫は言った
「生きたいなんて思わない。死にたい」
いきなりの言葉に驚き、涙
夫の身になり一概に否定できないけど
「そんなこと言わないで」と思って
「何か言おう・・・」との冒頭から沈黙悲しい
ちょうど秋の半ば空は晴れ渡り窓の木々は色づき
あの日から一月
その分だけ時間は過ぎてく
夫の身も磨り減る
一秒一秒生きてる意味を問う日々は
苦しかったと思う
それからさらに一月が経った
色なくした木に季節変わった
その木の枝ほどの折れそうな足
窓から吹き抜ける木枯らし
私は毎日病院に行った
沈黙の中手を握った
ある時夫は私に言った「今までありがとう」
いきなりの言葉に驚き、涙
無理に笑いながら涙を拭った
私の作った鶴が
もの寂しげにブラウン管に映った
冬は悲しくも別れの季節
この窓に春が来ないことは知ってる
翌日私はいつも通り病室に
夫は集中治療室に
その時願ったのは生還より静寂の光になりたい
感情は涙になり
今日までいたのに明日いない？
何かしらの別れ
お礼を言って
手を握り最後立ち会いたい
たぶんね......
手探りで探していたのは手
生涯の果て来ない夜明け
冬と風誰もいなくなった病室
沈黙と窓だけが「誰か」
果てなきはずもやはり果てあり終演幕下ろし静かに瞳を閉じ
一人立ち
空掴む三度
どこにもいない「手を握りたい」
どうにもならないと分かってても
強いあの人が「助けて」と....
言葉をどれだけ集めても
心の傷は隠せても治らない
あの長いこと黙っていた夫の言った
「今までありがとう」は今も胸の奥
重く残るどうすることも.....？
壁の向こうすごく遠く
私はここ」と言いたくても
リングの外
声に耳塞ぐしか
九時間という長い戦いの後
医者のお辞儀で全て終わった
時間が一瞬止まった
夫の時間は一生止まった
輪廻転生命は巡るとしても
一生はあくまで一度
その最後が死
始まりの旅立ちが終わり
灰は空に
事実は永遠に
最初で最後の最期に夫は何を見
何を思った？
天国行く前見たのは連続する
走馬灯と天井？
感じたのは「孤独」だと思う
無力感にかられて風に吹かれた
一人で生まれた夫は最後の最後も一人で迎えた
その日は日が経つにつれ遠くなり
窓辺には鶴とローズマリー
- 時に鏡ともなるブラウン管
