外道神さんとモバ友になろう!
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- 2011/3/13 21:32
- 【全く】地震・2【気付かなかった】
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- いよいよもって強さを増した吹雪に耐えかねて、少年は近くのコンビニに立ち寄った。
そのコンビニはかねてより行こうと決めていた所で、そのチャンスがあるとすれば即ち今日のみ。
同名のコンビニになら飽きる程足を運んだが、駅前のが立ち読みに特化しているように、学校付近のが食品を多く置いてあるように、店には店ごとの良さがあるのだ。
心を若干弾ませながら、少年は駐車場端に自転車を止めようとして、それより前に店の外観を見て、動きを止めた。
外観と言っても建物自体には何の変哲も見受けられなかった。ただ、室内の電気が付いていないのだ。
これこそ、約1日半に渡った停電の影響によるものだったのだが、電気を必要とする建物が無かった周囲の環境が、少年に停電と認識させるのを遅らせた。
一体全体、この店はどうしたのだろう。
快晴なら今の位置でも様子を確認できるだろうが、現在の天候がその真逆とあっては目を凝らしても中の様子は少しも把握出来ない。
さらに店からは何故かトラブル臭が漂っていて、近寄るのが怖い気もする…………。
いやいや、男は度胸。何でも試してみるもんさ。もう少し近付くか、待てよ、どうせだから中に入ってみようか…………
いいや、面倒だ。仮に人がいたとしても寒さで鼻声になったまま事情を聞いて滑舌が悪いと認識されるのは嫌だし、検討違いな事を聞いて笑われるのも恥ずかしい。
ああ、そうか。ここも不況の波に煽られたんだ。
高い木の枝にあった葡萄を、『どうせ不味いに違いない』と勝手な理由を付けて諦めた狐のように、少年は薄暗いコンビニに適当な理由を付けて思案するのを止めて引き返した。
1+1=3と答える人がいたら『ふむ、この人はそう考えるのか』と、全てを容易に受け入れるような人間だったから、数秒後には彼の頭からコンビニの事は綺麗さっぱり、消えていた。
- いよいよもって強さを増した吹雪に耐えかねて、少年は近くのコンビニに立ち寄った。