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- 2011/8/23 21:26
- 狐島
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- 狐島のキツネ
狐島って名ァつくくらいやって、むかしはさみしとこでようけキツネが棲んでたらしわ。 そいで、ちょいちょい悪さしよったんやて。こんな詰もあら。むかしな、ここによぼよぼになったおばあさんが住んでて夜に なって近所へもらい風呂に行ったんやいしょ。ほんそこにある家やのにその夜に限ってなかなか着かんのや。そのうちに前垂れに火がついたいうておばあさんが 「アレ、私の前垂れに火がついちぁらいしょ!誰ぞ水もてきてけえよ う・・・」 と大声でわめきたてたんやしょ。 そいで近所の人が飛び出してみると、おばあさんは一生懸命に前垂れ をたたいてるんやが、そのさまは丁度、火を消そうとしてるようや。 気のきいた近所の人が 「それ、おばあちゃん水やで…」 いうて、タライを差し出すしぐさをすると、おはあちゃんは おおきに、おおきに… いうて、手でタライの水をすくうしぐさでパッパと足元にか け「やれやれ、やっと消えたわ、おおきにおおきに」 ちゅうて礼を言うたんやと。 みな「お宮のキツネにいらわれたんやろかえ…ちゅ うたそうな。 あの梶取[かんどり]のところに大けな寺があらいしょ。あそこの墓場のぐるりを、キツネにだまされて、一晩中ぐるぐる回っ てた人の話もあら。 その人はな、なんでも親類にめでた事あって、およばれに行った んやて。 ほいで腹一ぱいごちそうになってな、あっちヘヒョロヒョロ、こっち ヘヒョロヒョロしもて、それでも手にもったお土産の折詰めはしっか と握って、その梶取のお寺さんのへんまでさしかかったんやとう。 ほいたらよう、手にさげた折詰が急に重たなってきて、もう持ってら れやんのやて。 ほいでに左の手に持ってたんをを右手に持ちかえようとした折、ぴゅ うーと風のようなものが吹いていったと思うと、もう折詰は無くなって しもてたんやと。 あのキツネのために泣かされた人、このあたりに大分あったそうや で。
近くの神社 稲荷神社 和歌山市狐島北川原1 祭神 宇氣持神
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