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    • 2011/10/1 11:24
    • 『初恋の叶え方』プロローグ④
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    • 「そっか。じゃぁさ、私がせーじ君のお家に一緒に住んでもいい? そりゃ、私もまだ社会人一年目だから御両親並みの贅沢はさせてあげられないけどさ。そこそこ貯金もあるし、一日三食と誕生日とクリスマスのケーキや安めのプレゼントも約束出来るよ。独り者同士、仲良くしようよ。いや……、して下さい。かな」

       思いがけない言葉だった。
       余りに驚いた顔をして見つめていたせいか、悠紀が「やっぱ初対面に等しいし、怪し過ぎて駄目……だよね」と眉を下げた。

      (本当……?)

      「本当? 引っ越さなくても、良いの?」

      「良いよ。がくと君ともおばさんともさよならしなくて良いよ。私と一緒に暮らしてくれる?」

       再度問われ、コクコクと頷くと、ギュッと抱き締められた。
       痛みを感じる程の力で抱き締められたが、不思議と嫌ではなかった。悠紀のコートから母親がつけていた香水と同じ香りが漂って来て、安心したからかもしれない。

      (お母さんと同じ匂いだ……)

      「おかぁ……っ……ひっ……。ふぅっ……おとぉさん……うっ、おかぁさ……」

       急に目頭が熱くなって、涙が溢れ出した。
       嗚咽を漏らしながら泣く征司の頭を、悠紀が慰めるように撫でてくれる。その仕草も、母親を思い出させた。

      「気が済むまで泣くといいよ。頑張ったね、せーじ」

       悠紀の腕の中で、征司はいつの間にか泣きつかれて眠ってしまっていたらしい。

       次に目が覚めたら翌朝で、征司は自室のベッドの上に居た。ベッドの直ぐ横のカーペットの上には、悠紀が毛布にくるまって眠っている。

       目覚めた悠紀によると昨夜の内に親戚達に征司を引き取る旨を告げ、悠紀が征司の保護者になることが決まったらしい。


       この日から、六芦征司と野々宮悠紀は家族になった。



      プロローグ*END*

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