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    • 2009/2/8 22:23
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    • 「戒、聞こえてる?待ってってね。私もすぐ行くから。あの曲がり角で待ってて。いつもあなたを見ていたところよ」

      べったりと血がついた包丁を口で拭うと、今度は自分の首に当てた。

      「そう、私は、あなたがあの他人(ひと)が暮らす家をずっと見ていたの。困らせるつもりなんか、これっぽっちもなかった。身を潜めてみていただけ」

      ためらい傷から血が滲み、きりきり痛む。

      「あなたを信じてた。私を見つめて『愛しているよ』っていったじゃない。『それが真実だ』いったわよね」

      戒の左手をたぐり寄せた。

      「でもあなたは嘘をついていた」

      陰狐は戒の手を重ねた包丁を思いっきり引いた。血飛沫が白いブラウスを染めていく。

      「あの他人(ひと)のお腹は誇らしげにどんどん大きくなっていくじゃない!それを大事そうにあなたは撫でていた」

      血で染まったブラウスを力の限り引き裂き、ほつれた糸を一本引き抜いた。それを左の小指と小指に結びつけて、彼の横に横たわった。

      「もう大丈夫。これであなたと私はずっと一緒。夢のなかだけじゃない。永遠に一緒よ」

      壁に一面に貼ってあるポスターの中の戒は、どれも陰狐に向かって微笑んでいる。
      遠くでサイレンが鳴っていた。TVの画面には「人気ロックスター、川上戒さんが運転手を装った不振な女に誘拐されて行方不明」とテロップが流れている。

      「不振な女って、失礼ね!でも、自己紹介がまだだったわね、私は陰狐。知ってるでしょ、あなたがいつも投げキッスを贈ってくれた、客席一番の右列三番の女よ」 

      ※名前を貸してくださった方有難うございました(滝汗

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