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    • 2011/5/29 12:05
    • セリナ②
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    • 一週間後。エス氏のもとへ、ワイ博士から電話があった。ロボットが完成したので引き取りに来て欲しいとのことだ。

      エス氏は、高ぶった気持ちですぐさまワイ博士の研究所へと向かった。

      『いかがでしょう』

      『ふむ。かなりの美人顔だな。これなら客ウケもいいに違いない』

      エス氏は満足そうに頷いてみせた。

      『しかし、難点もありますよ?』

      『それは何だ?』

      『命令には忠実に実行しますが……何と言ってもロボットだ。人との会話の連立性には多少問題があります』

      『なぁに問題はないさ。ちょっとしたウチの事務所の受付と雑用をやってもらうだけだ。会話性など必要ない』

      『わかりました。お買い上げ有難うございます。あと、これが取扱い説明書です』

      『金はもうここにある。代金の分だけ取ってくれ』

      そう言ってワイ博士に分厚い束を渡すと、エス氏は揚々と自分の事務所へ帰っていった。

      事務所へ帰ると早速ロボットを起動させてみる。

      パチッと眠りから覚めたように目を開くそれは、思わず見入ってしまうほどの美人である。

      顔の個々のパーツはどれも整っていて、否のうちどころがない。

      そしてロボットであるがゆえに毛髪も特殊なものが植えこまれていて、サラサラと痛み具合など全く感じないものだ。

      エス氏は暫く見とれていたが、ハッと我にかえり話しかけてみた。

      『君の名前は何ていうのかな?』

      『セリナ』

      『好きな食べ物はなんだい?』

      『好きな食べ物はあるわ』

      『それはなんだい?』

      『なんでもあるわ』

      『……』

      なるほど、博士の言っていた難点だとその時に納得した。

      そして博士から貰った説明書を頼りに、事務所内での手伝いの仕事と、ある程度の会話はインプットさせることができた。

      『君は今日からここで働くんだ。いいね?』

      『ええ、わかりました』

      明くる日からエス氏は早速事務所の受付へセリナを置いた。

      『やぁ新人さんかい?美人だね』

      『ええ、新人です。ご用件はなんでしょう?』

      『おやおや……そんな事務的な会話はやめてくれ』

      『ええ、やめます。ご用件はなんでしょう?』

      『……エス氏はいるかな?』

      『では二階の部屋へご案内します』

      ここに来る客はたいがいが、あまり長居はしたくない客が多い。素っ気ない会話でも、仕方なしに要件を早く済ませたいが為に会話をそれ以上にしようとはしなかった。

      日記一覧③へ続く↓

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