大野 猟架さんとモバ友になろう!
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- 2010/1/31 4:19
- コーデ日記というか小説
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- コーデ日記 について:
- アバターを元に作ったSSです。
感想がありましたらコメントによろしくです
ペガサス:ルーイ(♂)
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「…今日は風が強い、そうは思わないか?ルーイ」
三又の鉾と赤い魔導書を手にした魔女は傍らの白銀のペガサスに話し掛ける。
風を全身に受ける魔女はどこか嬉しそうに、そして真剣に風が吹いてくる方向を見つめる。
「ルーイ、解っておるな。この先は失敗など許されぬ」
ルーイの太く逞しい首に左腕を絡ませた魔女は、彼の精悍な横顔に自身の頬を合わせ瞼を下ろす。
「……失敗など、許されぬのだ」
自分自身に言い聞かせるように呟く。
「あの、国を滅ぼさなければ我等の呪いは解けぬ」
ルーイが戒めるかのように鳴く。
「…わかって……おるのだ、我等の呪いに関係などない普通のヒトが居ることは………だがっ!」
魔女は持っていた鉾と魔導書を落とし、ルーイの首に―まるで、恋人との別れを悲しむ女のように―両腕を絡ませ、縋り付くように抱き着いた。
「わらわは貴方の姿を元に戻したい!貴方と共に時を刻んで逝きたい、死なずの呪いなどいらぬ!そのためには!その…ため、には………」
魔女はルーイの首から腕を解くと、力を無くしたように座り込んだ。
「滅ぼすしか…ないのだ……」
拳を強く握りしめ、目線を落としたまま声を絞り出す。
「それしか、方法は……ない………」
魔女は座り込んだまま、目線を風が吹いてくる方向に移す。
その先には……
「魔都市・ダガト、我等に呪いをかけた者達が住む国……」
魔女は何かを振り切るように鉾と魔導書を拾い上げる。
「わらわは世界に名を残すだろう。世界最悪、最低の罪人として……。だが、」
魔女は鮮やかに微笑む。
「強大な汚名と悪意と引き換えにわらわは幸せを手にいれる!貴方とこの身が朽ち果てるまで共にいられる!」
ルーイがゆっくり魔女に近付き、背から生える翼で彼女を包み込む。
「ルーイッ…!!」
魔女は歓喜にうち震え、声高に言葉を紡ぎ始める。
「わらわは手に入れる!今以上の幸せを!貴方と共に歩んでいける人生をっ!」
数日後、一つの国が消えた。
なぜ国が消えたかは謎だった。
様々な噂が流れたがそれはどれも真実ではなかった。
真実達は今でも共に二人で生きている……
end…? -