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- 2012/9/4 19:43
アミターバ
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- アミターバとは直訳すると「無量の光」、阿弥陀如来のことです。
現役の僧侶であり作家でもある玄侑宗久が、自身のお母さんが亡くなるまでの数ヶ月を側でみとどけた体験をもとに書きあげた作品です…
日毎に元気が無くなる自身の母親に対し、息子としてでなく僧侶として 命が尽きる恐怖を和らげてあげたいと思い数ヶ月母親に付き添ったのだが、母親がこんな風に自分の気持ちをうけとめてくれていたらうれしいと思いながら書いた…みたいなことをインタビューで言ってました…
小説での設定は慈雲という僧侶の妻の母が末期の肝臓ガンで その義母が自分が壊れていくのを実感しながら徐々に自分の死を受け入れていくのを語るという風になっています。
ガンで入院して最初元気な時は自分の存在がなくなるなんて想像もできなかったのですが、一月、二月経ってくるとガンの進行と供に激痛が襲ってきます。
そのうち時間の感覚がなくなってきて、現在のことや過去のことが入り乱れて頭の中をめぐり、どれが今現在かわからなくなって、見舞いに来ている家族と話が合わなくなってきます。 若い頃の自分のお父さんが隣にいたかと思うと 幼い頃の自分の娘が現れたり走馬灯のように目の前の世界が変わります…
人間は物心ついてからいつの頃からか時間の観念が身につきますが、自分の機能が衰えて時間が溶け出し、外界から疎外されるというのを体験するときはどんな気分なんでしょうか…
終りに義母は天に召されるのですが、その時に見た光景とは…
宗教学や物理学で臨死体験を研究したのをもとに書かれているのでものすごいリアリティーがあります。
とにかくページをめくるごとにポロポロ涙があふれてきます…
そして すごいことに読み終わった後には死ぬことへの恐怖心が薄れています。
すべての宗教は死の恐怖をまぎらわす為にある と、どこかで聞きましたが、もし そうだとするとこの本は現代の経本と言っていいのではないでしょうか…?
ずっと手元に置いといて 死ぬ前にもう一度読みたい本だと思います…
- アミターバとは直訳すると「無量の光」、阿弥陀如来のことです。