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- 2008/9/5 15:21
- 『18号くんと蝉(セミ)』第四話
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『18号くんの、お爺ちゃんは、歩きたい、話したい、食べたいって、色々考えてるんだろうね
でも、体が動かないのは辛いだろ』
「うん」
『先生の考えね。先生の考えだからね。
亡くなるって言うのはさぁ…
新しい体を貰う準備って事なんじゃないか?』
「新しい体?」
「女体も、もらえるのか?」
佐藤初号機くん
にょにょにょ…にょたいぃぃぃーーーっ!!!?
黙れっ!!佐藤初号機っ!!
先生が欲しいくらいだよぉ……
うぉっと!やばい!やばい!
『男性か女性かなんて先生にも分からないな。
新しい体を貰う準備ってのはさ、お爺さんの心は無くならないって事なんだよ。でもさ、体が無いから、見る事も、話をする事も、触る事も出来ないけどね』
またザワザワし出したよ
ザワザワし出すと変な質問が飛んでくよな
来るのかぁ?来ないのかぁ?
今度は何号だっ!!
来るならこいっ!!番号は間違えないぞっ!!
いや…番号の間違いよりも話が大事だろっ!!
とか自分にツッコミを入れていると…
「いつ頃もらえるのかな?」
とても真剣な18号くん
先生はこのクラスになれて、良かったと思う…うん。
佐藤と鈴木ばっかりだけど……
番号で呼んじゃってゴメンね
だって、覚えて無いんだもんっ!
さてさて、18号くんに答えなきゃ
『いつ頃だろうな…お爺さんは71歳まで生きたんだから、赤ちゃんの体が貰えるのは、早くても71年は必要だろう。71年間かけて、ゆっくり赤ちゃんに戻って、また生まれて来るんだと先生は思うよ。71年間の思い出を、ゆっくり思い出しながら…ね…』
「お爺ちゃんが、赤ちゃんか…」
『71年経つと、18号くんやみんなは79歳だよね。もしかしたら、またお爺さんと会えるかもな』
「僕がお爺ちゃんで、お爺ちゃんが赤ちゃん…アハハハハ…なんだか楽しそう」
『18号くんもお爺さんにまた会えるときまでガンバルんだぞ。こんなに立派な孫になりましたって言えるようにな』
「うん。わかった。お爺ちゃんに会えるの楽しみにがんばる」
笑顔で返事してくれた、18号くん
ホッとしたよ
♪キーン コーン カーン コーン
次回最終話…
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