クリームパイさんとモバ友になろう!
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- 2010/4/24 23:11
- いわゆるアレだ。
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「金田、お前に手品披露してやる」
「ほう。お手並み拝見といこうか小木」
「ここにお前の消しゴムがあるだろう?これに俺が手をかざすと…消えるのだ!」
「おおう!で、俺の消しゴムを返せ!」
「実はもう、お前の筆箱に入っている」
「うわ!鳥肌立った!キモすぎる」
「凄いだろう?…でも結局今日も勉強出来なかったな」
「お前が手品ばっかりするからだ、今日はもう帰ろう」
「そうだな、じゃあまた明日」
小木とのテスト勉強が終わり、図書館で別れた後にすぐに家に帰った。
頭の中は楓(カエデ)のことでいっぱいだった。
楓との出会いは二年生の春だった。
同じクラス、左の列、窓際、一番後ろ。
二回目の席替えで楓が隣の席になった。
初めて喋りかけたのは楓からだった。
「金田君。ちょっと消しゴム無くしちゃて。その消しゴム貸してくれない?」
「ありがとう!あ!まとまる君だ!この消しゴム消しやすいよね?私もこれにしーよっと!」
初見、ノックアウトです。いわゆる一目惚れ。天使がハートに矢を刺すのを想像していただけると分かりやすい。まさにアレなのだ。
まとまる君の話で打ち解けた俺達は、お互いを名前で呼び捨て出来る関係までになった。
身長…推定155cm。
体重…知るか。
スリーサイズ…知りてえよ!
セミロングのストレートな髪。
透き通るような白い肌。
絶対に付き合うぞ!
と、心に決めたその日から、俺は行動に出た。
自分のまとまる君(※消しゴム)に楓の名前を書いたのだ。小学生の頃流行ったおまじない。好きな人の名前を書いた消しゴムを使いきったら、両思いになるらしい。
しかしリスクは大きい。
友達にバレてみろ。周りからの好奇な目、羞恥心もあったもんじゃない。穴ならぬ、三階の窓から飛び降りる可能性もあるだろう。
だがリスクを背負ってでも、こんなことにすがるしかなかった…
そして今!
家に着き、小木とのくだらない時間を取り戻したい気持を抑えつつ、勉強机に向かい、参考書と筆記用具を出した。
筆箱からシャーペン、赤ペン、uniの消しゴム…
…あれ?何かがおかしい?
気付いた時には身体中から汗が吹き出していた。
心臓の音が早くなるのが自分でも分かる。
少し震えていたかもしれない。
まとまる君が無い。
代わりに小木の消しゴムが入っていた。
続く。