クリームパイさんとモバ友になろう!
日記・サークル・友達・楽しみいっぱい!
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- 2010/2/4 0:20
- アメダスキャンペーン
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※はじめに、『北風小僧をいてこましたい』を読むことをおすすめします
般若の形相で彼は店員を睨み付けてみたが、状況は何も変わらなかった。
「あの、すいません。俺時間無いんでー…」
「大丈夫です、簡単な説明ですので」
ここで彼は妥協してしまった。別に簡単ならいいや、と。
「分かりました、手短にお願いします」
「はい。では最近雨が多いと思いませんか?」
「え?まぁ、はい」
「ですよねー、私もそう思います」
コイツ何だか…
うぜぇ。
いや薄々は感じていたけども。
「このキャンペーンの内容は、こちらの商品の5%割り引きなんです」
店員が指したのは、英語でアメダスと表記されたスプレーだった。
「こちらのスプレーを吹きかけるだけで、水や汚れを弾いてくれるんです」
そう言いながら、おもむろにレジのしたから靴を二足出してきた。
「ご覧下さい。こちらスプレーをかけてない靴なんですけど…」
そう言って靴に霧吹きで水をかける店員。水が靴に染み込んでいる。
「しかしこちらにはスプレーがかかってます、見て下さい!弾くんです!」
ババアの興奮が異常だけど、これには俺も感動した!いやマジで。
「どうですか?」
「凄いです。でもお金無いんで(笑)」
「5%割り引きでして…」
「いや本当に靴の分しか持ち合わせてなくて」
「じゃあ、お買い上げですね?」
ババアの耳が腐ってる件について。
あの耳飾りかな?
しかもじゃあって何だよ。
彼は限界だった。
「あの…本当もういいですから」
見るに見かねたのか、ババアの隣にいた姉ちゃんが割って入ってきた。
最初から他の人に頼めばよかっのだ、チクショウ…
「申し訳ございません!」
姉ちゃんが謝ってるとき、ババアはずっとこっちを凝視。
極めつけは去り際に「チッ」と舌打ちしたことだ。
腹は立ったが、今回は俺の勝ちだな。彼は満足してバイトに励むのだった。
後日。玄関で見覚えのあるスプレーが置かれていた。
母に尋ねると、新しい靴屋で買ってきたそうだ。
まさか母さんを狙うとはな、予想外だったぜ。
多分ババアだろうな…
俺の完敗だよ…
彼等の因縁の対決は始まったばかりなのだった。
完
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