神城☆さんとモバ友になろう!
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- 2008/11/22 1:37
- 超久しぶり~(ビブラート)
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- 窓の外には木々が鬱蒼と生えており、数少なくなった紅葉を風が仰いでいた。
少し肌寒い部屋の中、私と大学の友達数名と法学の教鞭を取る先生がいた。
私達が見ているのはギリシャの写真、先生が旅行先で撮ってきた写真だという。
その中に写っているのは中世のヨーロッパのような街並み、白い岩を削って作られ、朽ち果てた神殿や石像がその情景に存在する。
長い、長い年月を経て、果てた過去の追憶。
しかし、そのモノ達の中にかつての栄光は確かにあるのだ。
「僕はね、今まで沢山の人々と国を見てきた」
先生が言った。
噛み締めるように、本のページを捲るようにゆっくりと思い出を紐解いていった。
「パキスタン、ウズベキスタン、シリア、カンボジア…紛争地域にも行った事があったよ…あれは、我々の国がどれだけ幸せなのかを痛感させられたよ…」
先生はおもむろに煙草の箱を開封した。綺麗に整列をしたフィルターの無機質な白さが眩しかった。
何年も繰り返すことにより身についた自然な動作で、火を点けて、肺を芳香で満たす。
吐き出した煙は滞留して霞のように消えた。
先生が見てきた物はこの年齢になれば分かりたくなくても分かるようになるのだ。
それは世界を少し理解したということだ。
私は心のざらつきをコーラの炭酸の刺激でごまかした。
「危険な目にも多々遭ってきた…」
でもね。
と先生は言った。
「僕が本当に命の危険を感じたのはコミケだったんだ」
私はコーラを鼻から吹き出した。
いや、寸止めだった。鼻の奥を炭酸が刺激する。
その後、先生は熱くコミケの怖さ、恐ろしさを語ってくれた。
紛争地帯よりもコミケの方が恐ろしいんかいっ
そう心で叫びながら私はコーラから点々と出る気泡をずっと眺めていた。
大学の日常より抜粋
- 窓の外には木々が鬱蒼と生えており、数少なくなった紅葉を風が仰いでいた。