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    • 2013/10/29 7:17
    • 黄昏時の中。
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    • 一軒の宿の前でそれらは居た。
      一方は青年。一方は年端もいかぬ少女。端から見れば兄妹に見えなくもない。だが彼らから漏れる会話を聴けば誰もがただの兄妹ではないというであろう。
      「わっちは絶対やじゃからな!おんなじ布団で寝るなどとぬかしおって!」
      「誰のせいでそうなったと思っている!元はと言えばお前が無駄遣いをさせたからこうなっているんだろうが!」
      「う……。しかしな、考えてもみよ!こんな可憐な少女が側にいて何もせん男はおらんじゃろ!」
      少女はうっとたじろいだがフフンと胸を張る。確かに少女は可愛いの部類に入るし、一部のマニアに写し絵を売ったら凄い稼げるような体躯だ、しかしだ。コレには反論できる。
      「俺はお前に手を出せるほど愚か者じゃない。」
      二つの意味を込めて青年は真面目に答えた。しかし少女は他の意味に捉えて激怒する。
      「わっちには」
      「ん?」
      「わっちには興味がないと言うのか?」
      急に何を言い出すんだこいつ…。などと思う反面何か引っ掛かるモノを感じたが、その時の彼には周りの痛々しい視線と財布の厚みの無さに気掛かりで気付けない。
      「ああ興味が無いね!だからさっさと宿を取るぞ。もう野宿は懲り懲りだからな!」
      「……っ!?」
      少女は頬を膨らませ涙目で駆け出した。その先は宿とは別の方向。
      「お、おい何処に」
      少し離れた所で不意に少女は振り返る。
      周りの人々はなんだなんだと奇異の目。
      「オーディのバァァァァァアアカ!」
      「はぁ!?」
      ソレだけを言い放ち少女は人混みへと姿を消した。
      残ったのは冷ややかな視線と財布の虚しさのみ。オーディと呼ばれた青年は苦笑を周囲に手向けるのだった。

      黄昏時の尻尾。第2話、完。

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