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    • 2010/11/14 23:16
    • 乾燥
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    • 桜庭一樹の「私の男」を読みました

      震災で9歳のときに家族を亡くした「花」を親戚で25歳の「淳悟」が引き取り育てる。
      淳悟もまた事故で父を亡くしていて、母も病気で亡くなっている。そんな生い立ちの淳悟は養女である花に母親の面影を求める
      お互いに血の繋がる唯一の存在で、花のことを『血の人形』という。花は根っからの魔性の女で、淳悟に依存し「おとうさぁん」と甘える、(ナボコフの)ロリータ全開

      そんな二人の15年を、花が結婚するところからさかのぼるように描く





      『雨宿りしていたわたしに、ぬすんだ傘を差し出した。その流れるような動きは、傘盗人なのに、落ちぶれた貴族のようにどこか優雅だった。これは、いっそうつくしい、と言い切ってもよい姿のようにわたしは思った。』


      最初の数行を読んだ瞬間、気味が悪くて嬉しくて即レジへ持って行った。その人、「淳悟」が偏屈王に似すぎて、恐ろしいくらい似てる、というかあの人そのものが描かれていた

      『「おまえ、おどろくことが多い人生だね。えっ、ばっかりだ。えっ。えっ。」
      物真似をして、一人でまた肩を震わせる。でも悪気はないようで、笑っていると、やっぱり、不思議なほど人懐っこかった。怖さを打ち消す魅力があった。』


      『「じゃ、毎日、何をしているんですか?」
       「…毎日、後悔」』



      そして、花もまた自分とよく似ている気がした。




      そうだったのだ
      あの人とガラス玉のような瞳で
      見つめ合ったその一瞬から
      本当はわかっていたのだ
      私は彼の『血の人形』になりたかった


      あの人もヨシヨシと子供にするように頭を撫でてやると妙に興奮して喜んだ。
      そんな私も一度でいいから「おとうさぁん」と言ってみたい。甘えてみたい

      もし呼ぶなら、その人は偏屈王意外にはあり得ない

      「おかぁさぁん」
      「おとうさぁん」
      呼びあいながら抱き締められたら
      どんなにいいだろうと思う

      グロテスクかな




      私が欲しいのは愛なんかじゃない
      情念と執着
      お互いがお互いをがんじがらめにして離さないような関係



      それを私は
      あの瞳に見たのだ







      読み終えて
      どうして私と偏屈王は血が繋がっていないのだろうと不思議な気持ちになった

      そして、私は『血の人形』になれるのか、偏屈王が他の女とそういう風にならないか

      不安で不安で不安で不安で不安で不安で不安でたまらない


      きっと今私は
      闇のように黒い
      ガラス玉の目をしているだろう

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