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    • 2010/9/7 1:01
    • 霧のように虚ろな
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  • "アバター"
    • 敦盛
      という舞の一節には
      こんな歌がある


      人間五十年

      下天の内を比ぶれば

      夢幻の如く也

      一度生を受け

      滅せぬ者もあるべきか




      不確かな人の命を歌ったものであるが


      命のはかなさは今も昔も
      少しも変わっていない


      変わったと言えば
      寿命が少し伸びていることくらいか




      何やら暗い話かと思えば

      全くその通りで

      最後まで暗い話だ



      言ってしまうと
      幼なじみの親父さんが亡くなっちまったって話で



      まだ50ちょっとだったのになぁ


      よく俺も肩車してもらったっけ


      俺の親父と一緒に
      お互い 自分の子供の自慢なんかしてたなぁ


      家族同士仲良かったから
      よく面倒みてもらって

      俺にもう一人の親父がいた様だった




      少し前に
      おじさん具合悪いって聞いたのに


      忙しいとか


      大したことないだろうとか


      面倒臭がってろくにお見舞いも行かずに


      何ヶ月も具合悪いって時点で少しおかしいと気付けたものを‥


      家に向かった時には
      顔の上に白い布がのせられていた


      布を上げたくなかった



      二度と目を開けない
      俺のもう一人の親父を見たくなかった



      頼もしかったガッチリとした身体の面影は無く
      別人と思ってしまうほどやせ細っていた


      「迷惑や心配かけたくないから‥」


      だから周りには
      「具合が悪い」としか伝えなかった






      水臭ぇよ




      迷惑かけろよ

      心配させろよ





      まだ何にも返しちゃいないのに



      最期にお見舞いの一つもしてやれなかった


      俺が無茶やって入院した時には すぐにお見舞いに来てくれたのに


      そん時みたいに
      俺が「具合はどうだい?」って
      手を握ってやればよかった




      一緒に遊園地で遊んだことも

      山にキャンプに行ったことも

      仕事決まって一緒に喜んでくれたことも


      まるで

      その全部が嘘だったかのように

      はかなく あっけなく 消え失せた


      あの笑顔も

      優しいおっきな手も

      ガッチリした背中も


      おじさんが好きだった花もろとも
      灰となって消えた


      響き渡る啜り泣く声は
      俺の後悔の念を刺し通し続けた



      何度も



      何度も




      自分の親の時には
      こんな思いは絶対にしない
      してなるものか



      心に固く誓う



      自分の親の死を隠して
      金を受け取り続ける下衆共のようにはなりたくない

      なってたまるか




      親を大切にしろよ





      改めて思い知らされた


      夕暮れの虫が淋しく鳴き続ける
      秋の空を眺めながら

      久しぶりにズルズル泣き続けた

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