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- 2025/2/23 22:45
- 銀膝 Never Turning back Railway 681
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- 遠方の三剣人
そう言えば、大総統の演説ではゴッドランドという国をコンスタンチンが謀略を尽くして奪ったと言っていたけど本当なのか?バルバリアの海賊達に聞いていた話とはちょっと違うな。
「お客人はバルバリアの海賊をご存知か。」
俺の問いに、ガポルトが反応した。
ここに来る前にちょっとお世話になったんだ。
「私掠勅許も廃止される。奴らもこれからどうすることも出来まい。もう、時代は変わったのだ。」
脳裏にはバルバニアの海賊達のガサツだが陽気で日に焼けた笑顔が蘇った。
「貴方達が本物の遠方の三剣人だったら良かったのに。」
ここまで案内してくれたリルという少女がポツリと呟いた。
「これ、リル!お客人に失礼だぞ!」
ガポルトが窘めた。
「その遠方の三剣人というのは何あるか?何度か耳にしたあるが。」
拉~麺男が問いかける。
「ここでは、他の星からやって来る三人の旅人を、昔の英雄に擬えてそういう言い回しをするのだ。」
ガポルトは話しを続けた。
「ラクトクラスルはかつて何度も戦火に塗れ、群雄が割拠した時代があった。コンスタンチン公がゴッドランドのボノボックスの弔い合戦と称し、無双と言われたガウロン将軍に勝利しトリケラトプスで独立できたのも、三剣人の活躍があったからと言われている。」
そう言えば、前に誰かそんなことを言っていたと俺はかすかな記憶を辿っていた。
「決戦はフォルケンバーグという地での戦いだ。その戦役で一人で何人ものガウロン軍の兵士を斬ったという1000人斬りのメディウス。大剣を振り回し敵をなぎ倒し重要拠点ストレンギルの奪取に成功した百貫撃のバルッサザール。そしてガウロンの懐に潜り込み、寵愛を受けながら最後にその命を奪うきっかけを作ったのが傾国の哀姫メトレシア。いずれも遠い銀河から彗星と共にやって来たと言う、今は亡き英雄達だ。」
そこまで聞いて、リルは俺達三人にそんな期待を寄せていたのかと思うと、申し訳なくてまともに顔を見る事が出来なかった。トラスト大総統が完全な悪者だったなら、少なからず何かの手助けは出来たかもしれない。
しかし、民主的な選挙で多くの支持者達から選ばれたこの国のトップに対し、俺達の力はあまりにもちっぽけだった。俺達に出来ることは、申し訳ないが今は何も無いと、そんなことを考えていた。
- 遠方の三剣人