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    • 2010/3/6 17:51
    • ある盲人の話2
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    • 彼女はひどく落胆し、思いがけず涙を流してしまった。
      “ちょっと顔を洗ってくるね”と言い残し、外へ出て川で顔を洗う。
      顔を洗い終え一息つくと、川の中に何かがあるのに気付いた。
      それを拾い上げ時、彼女はまた声をあげそうになった。


      6枚の絵が捨てられている。


      絵はそれぞれ黄色・赤・青・緑・茶・橙で描かれていて、その全てが彼女の顔の絵だった。



      後からわかった事だか、それは心ない村人の仕業だった。
      女性に絵を送るなんて生意気だ。そういった気持ちからの嫌がらせだったらしい。


      彼女はやるせない気持ちでいっぱいだったが、気を取り直し彼の待つ小屋へと向かった。


      “どうしたの?”


      “ううん。何でもないの、嬉しくてちょっと涙がでただけ”


      “ああ、そうなんだ。そう言ってもらえると嬉しいよ。
      この絵はね…”



      身振り手振りで一生懸命絵の説明をする彼を見て、また涙が溢れてきた。


      ずっと君の事を描きたかったということ、沢山の色を使いたかったということ、途中絵の具が足りなくなってこっそり町まで買いに出たということ、途中雨が降ったので完成が1日遅れてしまったということ。

      彼はずっと喋り続けた。


      実際には現物はないけれど、彼の話から彼の描きたかった絵が痛いほど伝わってくる。


      黒一色の筈のその絵が、色とりどりの自分の顔に見えた時、彼女は彼に口付けをした。








      で、その結果産まれてきたのがこの僕さ。

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