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    • 2010/3/6 17:50
    • ある盲人の話1
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    • あるところに目の不自由な青年がいた。
      彼は村から少し離れた川のほとりに小屋を建てて住んでおり、縄を結ったり木の実を拾い集めそれを町に売りに行ったりして生活をしていた。

      村の人々は誰もが彼を馬鹿にしたが、一人だけ、彼に好感を持っている少女がいた。


      彼は絵を書くのが好きだった。実際その絵は目が見えない人が書いたとは思えないくらい大層美しかったのだ。
      そしてその少女は器用にそれを使い分け絵を描いていく彼の指先の動きや、真っ白いキャンバスに色が乗っていく様子、ニコニコしながら調色をする彼の仕草がたまらなく好きだった。


      初めはその様子を外から覗くだけだった少女もいつしか中に入り、彼の絵を手伝うようになっていた。
      もちろん少女はそれが嬉しかったし、その青年も姿は見えずとも美しい声を持つ少女にだんだんと心を惹かれていった。


      ある時彼は彼女に言った。

      “一人で描きたい絵があるんだ。”と。


      彼女彼の考えていることを何となく理解出来たし“はい”と答え、家に帰り、彼からの連絡を待つ事にした。


      その日から彼は少女の絵を描き始めた。
      一日一色ずつ色をのせていき、一週間もすれば描き上がるだろう。
      彼女は喜んでくれるだろうか?
      色々な思いを交錯させつつ彼はただ必死に描いた。


      一週間が経ち、彼女の家に彼からの手紙が届いた。
      内容は出来上がった絵を見て欲しいとのことだった。

      彼女は喜び勇んで彼の待つ小屋へと向かった。

      中に入ると満足げな笑顔を湛えた彼が待ち構えていて、その手には描き上がった絵が握られていた。


      “うまく描けているかわからないけど”といいながら渡された絵を見て彼女は“あっ!”と声をあげそうになった。



      色とりどりの絵の具で描かれている筈の自分の顔はただ黒一色のみで描かれていた。

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