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- 2012/1/10 22:42
- 凪蝶【過去2】
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過去2:遊郭に売られてからは、まず廓詞を叩き込まれた。娘は自ら希望し、他の娘より2年早く、5つから古典、書道、茶道、和歌、箏、三味線、囲碁など教養と芸事を習った。器量が飛びぬけて良くない自身は他の者よりも早く、多く、身につけることが必要だと誰よりも娘が一番に感じていた。娘は厳しい稽古に一つの文句も言わず、ただ黙々と人の何倍も努力を重ねた。厳しい稽古の中で唯一書物を読むことが娘の楽しみだった。位の低い遊女の中には学ぶことを嫌う者も多く、客から送られた書物を開きもせず、娘に渡した。娘は紅葉のように小さな手をいっぱいに広げて自身の背よりも高く積まれた書物を暇さえあれば読んだ。そのような日々が続いていたある日、娘は迷魄霊と出会う。迷魄霊は娘があまりに熱心に書物を読んでいるため自身が現世で会得していた速読の技術を教えた。
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