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    • 2009/7/20 5:54
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       少年にとつて、導火線は電子ネズミの尻尾なのです。悪戯つ子が火を点けやうと燐寸(マッチ)を擦りました。空砲の乾ひた音がすると、仕掛け花火は弾けて見上げたネコが拍手しました。
       
       縁日で、射的に夢中だつた僕は一番上に並んだキラリと光る零戦が欲しくてホシクテ…少しばかりのコヅカイを叩(ハタ)ひてコルク銃を握り締めたものです。数年振りに訪れた夜店で“其れ”に狙ひを定めたので有りました。
       
      パァンッ…!
       
       憧れと羨望。あんなに欲しくて堪らなかつた玩具も慣れ親しんだ遊具も、何処か余所ゝしひ物に変はつてゐたので御座居ます。
       
      「兄チャン!大人ハ壱回キリダヨ!」
       透かさず、店のお爺さんが眉間にキッと皺を寄せて言ひました。僕は大人に成つてゐたのです。
       其れはとても自然なイキサツで、無言の月日は僕を大人に変へました。“暫く開けて無ひ扉の向かうが、自分の知らぬ空間に変はつてゐる”やうに、とても、自然な変化でした。
       
       僕は
       在りし日の
       蛻(ヌケガラ)に
       出逢つてみたのです
       
       河原で火遊びをして居た少年も何時(イツ)か今日と云ふ殻を抜け出す。
      「其処ノ少年ヨ!」
       さつき撃ち落とした景品をポーンと投げ、少年が受け取るのを見ると、其の継(ソノママ)僕は人混みを後にしました。
       

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