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    • 2016/1/24 8:57
    • 思い出のカクテルと、果たせない約束。
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    • たまにはバーテンダーらしいエピソードでも書こうと思います。

      思い出のカクテル。それは『ジンフィズ』です。
      ジンフィズとはその出来映えで、バーテンダーの力量や、バーのレベルが、計れると言われるカクテル。

      私がオーセンティックなバーで見習いとして、カウンターに立っていた時の話し。
      常連のお客様で所謂『バーホッパー』という類いのお客様がいた。
      味にはとても厳しいお客様だが、凄く優しい方だった。
      実はこの方、カウンターに立つ前から見知った仲で、よく話しながら飲んだものだ。

      『野○君もカウンターに立つなら、まずはこのカクテルを美味しく作れるようにならなきゃな( ´,_ゝ`)』

      そう言ってオーダーしてくれたカクテルが『ジンフィズ』である。
      レシピは頭に入っている。作ったこともある。
      だけど、その方に初めて自分のジンフィズを出ししたとき、飲んでもらえなかったのです。

      そして『そのジンフィズは、野○君が飲んでごらん( ´,_ゝ`)』と…。

      そして、先輩のバーテンダーに同じくジンフィズをオーダーする。
      決して嫌味などではなく、私の勉強と練習ために自分の財布から金を出す。
      ジンフィズを作る練習をさせてくれる。
      ジンフィズを作る勉強をさせてくれる。
      自分と先輩のジンフィズを比較しながら。
      涙が出るほど『粋』なのである。

      何度目かにジンフィズを出した時のこと。
      やっと口を付けてくてた時の嬉しさといったらない。

      でも、飲みきるまでには至らず、突っ返される。
      『まだ甘い、でも惜しい(  ̄▽ ̄)』と。
      『いつか全部飲んでもらえる、美味しいジンフィズを出しますよ!』と約束する。

      やがて社内での体制が変わり、今の職場に異動することになった。
      たまにヘルプで出勤する程度になってしまい、その頃からそのお客様の姿も見なくなっていった。

      しばらく時が過ぎ、先輩のバーテンダーから連絡が入る。
      それは、とても珍しいことだった。
      いぶかしげに電話に出ると、それは訃報だった。

      あのお客様が癌で亡くなったと…。
      私にジンフィズを練習させてくれていた時、既にステージは進んでいたのである。

      納骨の後で、墓前に『ジンフィズ』を振る舞ったが、果たしてあのジンフィズは飲みきってもらえるものだったのか…。

      約束は果たせないまま、思い出にとって変わる。

      そして今、自分がバーに飲みに行くときは、初めの一杯は必ず『ジンフィズ』を注文し、密かに献杯するのが定例になっている。

      そろそろまた、『ジンフィズ』が飲みたくなってきた今日この頃です( ´,_ゝ`)

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