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    • 2014/1/12 22:16
    • 武勇伝~YUKIYA~
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    • 酷い悪夢だった。
      それもあまりにリアル。
      気が付けば両眼からは涙が流れ、枕と髪の一部がぐっしょりと濡れていた。

      自分は夢なんてすぐに忘れてしまう方だったのに、今日のそれを始まりから終わりまで鮮明に覚えている、脳裏に焦げ付くかのようにその一瞬一瞬までも。それ故か、鈍い頭痛。

      二十歳になり成人式へ臨んだ若者達が、何か得体の知れない大きな黒い影に次々食いちぎられ踏み付けられていく光景。逃げても隠れても懇願してもそれから逃れることはできなかった。
      夢から覚める直前、恐らくは目であろう赤い光がこちらを睨み、地響きのような低い声で放った一言、「オメデトウゴザイマス、ゴザイ、マシタ」その不気味な声が耳から離れ…

      「オメデトウゴザイマス」

      ゾクッ!!
      はなから眠気などなかったが、一気に覚醒しベッドから飛び起きた。
      同じ声だ。その発生源を返り見ると、薄く開かれたドアから赤い光が覗いていた。

      「わあぁぁっ!?」

      「どうしたの!?」

      飛び込んできたのはあの黒い影…ではなく、息子に起床を促しにきた母だった。
      それを確認すると全身から力が抜け、思わずへたりこんでしまった。

      「何、どうしたの。顔、真っ青よ、今日は成人式だっていうのに」

      「大丈夫…今何時…?」

      「もう9時よ、着付け師さんも来てくれてるのに。袴、履いてくんでしょ、準備しなさい」

      それから母にせかされ、大急ぎで朝食を取り、着付けのために応接間へ向かった。
      着付け自体は案外すぐに終わり、これなら仲間の待ち合わせに間に合うなと古時計を見てホッとしたその瞬間、またもそれは訪れた。

      「オメデトウゴザイ、マシタ」

      バッと振り返ると、着付け師が顔を上げた。
      ニヤけたその顔、瞳は赤く光っている。

      「う、うわあぁ!」

      思わず後ずさると足が縺れすぐ後ろの壁にぶつかり、そこに飾られていた模造刀が頭に降ってきた。

      「いてっ」

      鈍い音を立て鞘が頭を打つ。

      「あらあら、大丈夫?」

      見上げると、何事もなかったかのように普通の顔をした着付け師が心配そうに覗きこんできた。

      「だ、大丈夫っす…」

      慌てて起き上がり、刀を戻そうと柄を握った。
      その時だった。
      ただの模造刀だったはずのそれは激しく光を放ち、同時に彼の脳内に夢で見たそれとよく似た映像を送り込んできた。

      ただ一つ夢と違っていたのは、
      その刀で黒の影から仲間達を守り戦う自分の姿がそこにあったことだった。


      由稀也「ということなんです」
      警官「アウトー」

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