両弦さんの日記

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- 2011/10/3 21:19
- 俯きがちなダウジング
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- バイト先に変な人がいる。
  　
  第一印象は選民思想に両足を突っ込んでいる人だなあというものだ。
  （それをそのまま伝えた所あとでややこしいことになった。冷静に考えれば初対面で言っていいことではない。反省。けれど、彼には普段は言っていけないことを言わせる誘力みたいなものがあった。問題なのはそれを出しっぱなしにしてたところだ）
  　
  おれより歳は6つ上で、自称ＤＪをしていただけあって非常に弁舌がたつ人だった。あそこまで言葉を流暢に話せる人と会ったことがなかった。
  多分バイト先で一番色んな話を聞かされたし、話した（ほぼ聞き役に徹していたが）会話に対しての行動力を持つ人で、才覚に恵まれていることを自覚している人だった。プライドを持ち面従腹背を是とし看板を掲げているような人だった。
  　
  常習的に人をラベリングし、ラベリング出来る位置にいる自身に優越感を感じていることが伺えたが、同時にラベルに流動性を持つことを疎まない人だった。他者の中身とつけたラベルの整合性にこだわる人だった。恐らくは中程度の偏執症であるのに反し、それに問題意識を持たない人だった。
  　
  　
  それまで一端も触れたこともなかった読書という行為（幾分大袈裟な表現であるが）を25歳で初めて経験し、衝撃を受け啓発されそれに人生を賭けようとしていた。それ故に文学について一定の知識を蓄え、見極める目を養うとしていた。彼以上に文学についての背景及び観念を持った人間とおれは出会ったことがなかった。文学を途中で飽きず、諦めず、決め付けず、無遠慮な幻想を抱いていない点に好感を持った。他者に期待しない、他者の言葉を借りない、他者の尻馬に乗らない。辛辣な言葉を用いるのは自己を確立しているからだ。曖昧なツールは必要なかったのだろう。憧れたのならば同じ地点に立てばいい、立てないのならば集中すればいい、努力すればいい。立てない人間はそれをしないだけだ。言い訳がましく肯定し、もっともらしく否定する人間とは違った。実現の可否はともかく、考えないことに慣れた人と一線を画しそのような確信に溢れている人だった。
  だからこそ彼の言動は誤解されやすく、これからも彼自身が属す環境に足を引っ張られないか甚だ心配である。杞憂で終わらない自信はあるが。
  　
  　
  ちなみに三週間で辞めてしまった。
  ここの教育方針は自分にあわないと残して。
  
  他の人らにはあなたのこと嫌いって言ってたけど、あれは嘘だよ。