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- 2016/3/5 21:20
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皐月山に棲む三大妖怪の一人、芙蓉の子として産まれる。暮らしていた土地は妖狐を神として崇める風習があり、人間との親交も深く友好な関係を築いていた。それは覡も例外ではなく、時々皐月山の麓の村へ下りては人間の子供と遊び、平和な日常が永遠なものと信じることは難しくなかった。
中でも一人、特に親しくしていた少女がいた。少女の名は「春」。二人とも幼く、恋慕の情を抱いてはいなかったが、たがいに非常に大切な友人であった。
しかし春は齢10の折、縄張りを人間に追われた妖に喰われてしまった。妖と人間は憎しみ合うものーーそれが世間一般での常識だが、覡はどうしても納得できなかった。世の中が皆皐月山のようであれば、春を失うことはなかった。なぜ、彼らは憎しみ合い無意味な争いを続けるのか。なぜ、なぜ。
数年後、覡は一人で皐月山を出た。生を受けて以降芙蓉の元で守られながら温和な人間達の元で育った己には知らぬ、理解できぬ事柄が多過ぎると。
千歳山に住処を構え、人間や妖達の過ぎゆく歴史を傍観しながら今に至る。
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