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- 2018/3/28 23:54
- ワルクラ卑弥呼討伐3
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- 「何じゃ?騒がしいと思ったら、いつぞやの侍じゃないか。あの時は逃がしてしもうたからなぁ。今度は逃がしはせぬぞ?」
玉座に着くなり、一人の女性が目を細め、口を三日月形に歪める。
陶器のような白い肌と、腰まで靡く艶やかな黒髪に、一見すると美女に見えるが、黒く塗り潰された瞳が「人ならず者である」と物語っていた。
「それはこっちの台詞だ。テメェを倒し、この村を救う。」
六は刀の先端を卑弥呼に向け、ギロリと彼女を睨み付ける。
六の言葉に卑弥呼は鼻で笑った。
「単なる人間が、妾に勝てるとでも?」
「なら、「人間でない者」はどうだ?」
その言葉と共に、ナーガは刀を地面に振り下ろした。
バチリと轟く雷に、卑弥呼は慌てる事なく右手を前に出す。
たったそれだけの事で雷はすべて弾かれ、卑弥呼はクスクス笑った。
「そなた。鎧の中に魂を定着させているとは。面白い身体をしておるなあ。」
狙いを定める捕食者よろしく、ねっとりとした視線を向ける卑弥呼に、ナーガは居心地の悪さを感じる。
その隙に政宗が頭上高く飛び上がると、卑弥呼の脳天目掛けて刀を振り下ろした。
ガキンと見えない壁に阻まれ、政宗は舌打ちをする。
「効かぬと言うてるじゃろ?」
卑弥呼はまるで玩具を手にするような笑みを浮かべていたが、ドスッと鈍い音と小さな振動に彼女は目を見開いた。
ゆっくりと視線を下に向けると、そこには己の心臓を貫く刀の姿が。
その持ち主である六はニタリと笑い、そのまま胸を切り裂いた。
「あああぁぁぁ!!」
鼓膜が破れるような断末魔が響く。
「チッ!!手応えはあったのに、まだ倒れないか!!」
「政宗様ー!!」
六が顔をしかめる中、政宗を呼ぶ女性の声が聞こえた。
振り向くと、そこには牢屋にいたアヤメの姿が。
さらに、彼女の両手には一振りの太刀が大事に抱え込まれていた。
続く
- 「何じゃ?騒がしいと思ったら、いつぞやの侍じゃないか。あの時は逃がしてしもうたからなぁ。今度は逃がしはせぬぞ?」