十人十色☆さんとモバ友になろう!
日記・サークル・友達・楽しみいっぱい!
-
- 2018/3/28 9:18
- ワルクラ卑弥呼討伐1
-
- コメント(0)
- 閲覧(0)
-
-
- ここは和風村。
六の故郷であり、男女共に武術を嗜む村でもある。
本来なら、西の魔王と呼ばれているナーガと、東の独眼竜と呼ばれている政宗が村を纏めているのだが、今現在、卑弥呼と名乗る謎の巫女によって、村は支配されていた。
「クソ…。卑弥呼の野郎。俺達の村に何て事を…。」
まるで機械のようにギクシャクと動く村人達の様子に、物陰から見守っていた政宗は、奥歯を噛み締めながら顔をしかめる。
「とにかく、卑弥呼がいる城に潜入するぞ。」
六の一声にナーガと政宗は無言で頷き合うと、がらんどうに門が開いている不気味な城の中へ滑り込んだ。
ひんやりと冷たい空気が漂い、六と政宗は小さく身震いする。
なるべく足音を立てずに進んでいると、どこからか何かを啜る音が聞こえてきた。
各自、鯉口を切り、いつでも抜刀出来るように身構える。
見えてきた地下階段に来ると、啜る音は一層大きくなり、三人は壁に身を潜めながら地下へ降りた。
突如、目の前に広がる巨大な檻に三人は言葉を失う。
さらに、三人と交流がある一京、H.T、たぬちよ、アヤメがその檻の中に閉じ込められていた。
「一京!!」
「アヤメ!!」
六と政宗が声を上げると、俯いていたアヤメが顔を上げる。
彼女は泣き腫らした顔で政宗を見ながら一言。
「…誰?」
「アヤメ…?」
ぼんやりと光のない目で呟く姿に、政宗は眉間に皺を寄せる。
アヤメは顔を歪め、頭を抱え込んだ。
「貴方は誰なの…?私は誰なの…?分からない…。何も分からない…!!」
「…どうなっている。」
「…アヤメは記憶喪失だよ…。」
ようやく絞り出した政宗の声は掠れ、H.Tが言葉を吐き捨てた。
続く
- ここは和風村。