十人十色☆さんとモバ友になろう!
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- 2018/2/27 8:53
- 徒然話4
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- 「虚空!!」
「葵!!」
「冥王星の冥!!」
「どれもハズレです!!」
その後も国木田独歩、新見南吉、宮沢賢治が手を上げたが、瞬太郎の一言にその場で項垂れた。
「空に関する言葉だけでも百を超えますからね。その中から探すのは、中々骨が折れます。」
「それに、空には鳥達もいますし、その事も視野に入れないと。」
「おい司書さん!!芥川先生が困っているだろ!!もう少しヒントを出せ!!」
夏目漱石と芥川龍之介の会話に、太宰治が瞬太郎を指差ししながら怒鳴る。
「えー?そう言われましても、これ以上言ったら絶対に答えが分かりますよ!!私の語彙力の低さを舐めないでください!!」
「そこは威張るな。」
半ば開き直るように胸を張る瞬太郎に、佐藤春夫が突っ込みを入れた。
そんな中、徳田は彼女をずっと眺めていた。
コロコロ変わる表情と態度に微笑ましさを感じると同時に、羽根のような柔らかさが辺りを包み込んでいる。
気付けば徳田は口を開いていた。
「羽根…。」
「へっ?」
徳田の呟きに織田作之助が彼に目線を向ける。
「司書さんの回りには、羽根のような暖かさと柔らかさがある。むしろ羽根と言うより翼に近い。だから答えは翼。司書さんの審神者名は翼だ。」
「…正解です!!」
瞬太郎がニヤリと笑った次の瞬間、彼女を取り巻くような強風が吹き荒れた。
目も開けてられないような突然の風に、全員が顔を覆う。
しばらくして風が収まり、何とか顔を上げると、瞬太郎が立っていた場所に、髪をポニーテールに縛った女性が立っていた。
続く
- 「虚空!!」