Portgas.D.さんとモバ友になろう!
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- 2008/5/29 16:17
- たこ焼き屋~hy~
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- 私、鬼瓦権蔵(おにがわらごんぞう)58才はしがないたこ焼き売りです。
雨が降れば車のタイヤが滑り人を引き殺し、雪が降れば、タイヤが滑り人を引き殺してしまう………そんなしがないたこ焼き売りです。
雨が降る、すると海が時化(しけ)る、そうすれば、タコが取れない。
買えたとしてもいつもより大分高くなる。
頑張って自分でタコを取ろうと思ってこの前は間違えて人を刺し殺してしまう始末。
そんな私にも春が訪れたのです。
路上でいつも通り、たこ焼きを売っているとそれはそれは可愛らしいお姉さんがたこ焼きを買ってくれた。
私はそれが嬉しくて。
毎日、毎日、私のたこ焼きを買ってくれたんです。
「おじさんのたこ焼き、美味しいね。おじさん、ブサイクだけど、たこ焼きは美味しいね。」って。
私はそれが嬉しくて。
だから私は毎日一緒の場所でたこ焼きを売り始めました。
飲み屋街の一角に車を止めて。
毎日、一緒の場所でたこ焼きを売り始めました。
生地を入れているポリバケツに間違って酔っ払いがゲロを撒き散らした事もありました。
それで、『たこ焼き』じゃなくて『ゲロ焼き』なんて言われたりしてね。
毎日、同じ酔っ払いがポリバケツにゲロを吐きに来る。なんて事もありました。
それでも私は
「大丈夫ですか?」
なんて言ってよく心配したものです。
酔っ払いには必ず
「うるっせェ!ブサイク!」
と言われたものです。
ある日の晩にいつもの様にお姉さんがたこ焼きを買いに来てくれたんです。
だから、私は素知らぬ顔でいつもより多くたこ焼きを入れてあげました。
いつもは400円で8個入りのたこ焼きがその時ばかりは400円で83個入りのたこ焼きになった。
するとお姉さんはいつもの声で
「わぁ!いつもよりたこ焼きが多い!ありがとうね、ブサイクなおじさん!でもおじさんの顔はいつ見てもブサイクだね。」って。
こんなたこ焼き屋だったら僕は嫌だなって、思います。
- 私、鬼瓦権蔵(おにがわらごんぞう)58才はしがないたこ焼き売りです。