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    • 2011/8/7 9:25
    • 二段ベッド
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  • "アバター"
    • 僕には2つ下の
      小学4年生の弟がいる
       
      僕の家には僕と弟の部屋があり
      その部屋に待ちに待った二段ベッドが届いた
      正直 二段ベッドが家に届いた時は僕も弟も興奮したし、どっちが上か下かで話し合いもした。
      けど、話し合いの結果も虚しく結局最後は喧嘩になった
       
      そのたび父さんに
      「喧嘩するな!喧嘩すると二段ベッドお父さんが使っちゃうぞ!」
      なんて怒鳴られていた。
      だけど、どっちがどっちに寝るかはやっぱり重要で、その後も話し合いは夜まで続いた
       
      最終的に、弟の「上に寝たい」
      という意見を兄の権力で抑えて
      僕が上で寝ることになった
       
      その夜
      夜通し弟の泣き声が下から聞こえ
      なかなか眠りにつくことが出来なかった
      次の日も また次の日も
      弟は寝る時間になると決まって泣きはじめた
       
      僕はとうとう我慢できなくなり
      「いくら泣いても譲ってやんないぞ!」
      と弟に怒鳴り散らした
      すると…
      ついに弟が口を聞いてくれなくなった
       
       
      ある日
      急な電話で 弟が車に跳ねられて死亡したことが告げられる
      遺体の前で泣き崩れる両親の横で
      僕はどうしていいかわからず
      ただ立ちすくんでいた
       
      その夜
      …今日はいつも一緒にいた弟がいない
      いつも泣いていた弟がいない
       
      ずっと一緒だと思っていた
      僕が成人して家を出るまで
      …ずっと一緒だと思っていた
       
      けど一瞬にして弟はいなくなった。
       
      悔やんでも悔やみきれない。
       
      僕はせめてもの気遣いとして
      今日は下で寝ることにした
       
      ………
       
      眠れないまま時間だけが過ぎていく
       
      僕の頭の中は弟のことでいっぱいだった
      弟はもう…帰ってこないのだろうか
       
      そのとき
      揺れと共にギシギシとベッドが歪む音が響いた
       
      上に…誰かいる
       
      そういえば、この時間は
      弟がいつも泣きはじめる時間だ
      この時間に上にいるとしたら…
       
       
      思えば 弟はいつも僕の後ろをついてきた
      お使いを頼まれたときだって
      公園に行くときだって
      同級生と遊びに行く時でさえついてきた
       
      そんな弟だ
      僕がベッドを譲ってくれなかったのが
      よほど悲しかったんだろう
       
      そうだよな…
      よりによって
      あんなに怒鳴り付けることは
      なかったよな
      僕は兄として本当に情けない
      弟に申し訳がない
       
      だから幽霊でもいい
      1つだけ言われてくれ
       
      ごめん、って。
       
      僕はベッドから身を乗り出して
      上のベッドを覗いた
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
      お父さんだった。

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