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- 2009/3/9 22:22
- 小説『カルマとそれから』(第2回)
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- 「僕だよ」
ライオンはその声のする方へと歩いていった。
「僕だよ、分からないのかい? 不本意だなあ」
その声はどんどん近くなっていく。
そうしてライオンは夢中になって走った。走って走ってそしてまた走った。
すると辺りはだんだん暗い闇のような霧に包まれていった。
「僕だよ」
「お前は誰なのだ!」
ライオンは怒鳴った。
「君がいちばんよく知ってるんだよ」
声の主が言った。
すると次の瞬間、ライオンは、あの勇ましかったライオンの姿からいつの間にか幼い人間の男の子の姿になっていた。
「それが君の生きる道なんだよ」
声の主はそう言うとすうっとその奥の方へと消えていった。
- 「僕だよ」