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- 2013/3/13 1:24
- 誰かの人生
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- 私には家族との思い出で、いい記憶がない。
父親はいなかった。いや、正確には現在も元気に生きている。
しかし、私にとっては知らないおじさんだ。
一緒に暮らしたことはない。
たまに家にやって来て、夜、母を抱く。
私は父親が家に来ることを歓迎していた。
その理由は、父親が好きというわけではなく、父親がいる時だけは、母の機嫌が良かったからだ。
父親がいない時、私はいつだって母のサンドバックだった。
殴られ、蹴られ、髪を引っ張られ、投げ飛ばされた。
なぜか、母は私の存在を疎んでいた。
母のかんしゃくに触れないように私はいつも部屋の隅で小さくなっていた。
母のたてる物音一つに、びくっと体が反応する。
私には家族というものに楽しい記憶がない。
たまに見掛ける仲の良い親子の姿に、自分もあんなふうに笑えたら、もっと楽しい人生をおくれたのではないか、と、考えてしまう時がある。
- 私には家族との思い出で、いい記憶がない。
