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    • 2015/10/29 3:52
    • MCN*秋雨の夜 ④*
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    • 「・・・まぁ、おそらく私も似たようなものだな。霊体であれば雨の影響は微塵もないが・・・私はそこまで速く飛べないし、初めて来たところだし道をハッキリとは覚えていない。すごすご戻ってくるのがオチだろう。」

      それに、と永雛は自分の身体を指して続ける。

      「“これ”はどうするんだ?」

      これ―――指先は自分自身を指してはいるが、その真意は違う。
      人ではない自分たちが人に紛れて暮らしていくためには、どうしても姿を移す“寄り代”が必要になる。
      とある会社で作られた人型アンドロイド、それが今の自分たちの「身体」だった。
      本性に戻ったからといって、都合よくその「身体」が消えてくれるわけではなく、ただ単に自分達が器から出ただけなのだ。
      今ここで二人が本性に戻り家に帰ったとしたら、バス停には二人の少女が並んで取り残されている図が残ることになる。
      アンドロイドとはいうが起動前、なんの呼びかけにも応じないそれらを事情を知らぬ第三者が見つければちょっとした騒ぎにもなりかねないだろう。

      「一度本性で帰って傘を持って戻ってくるか?」

      「この豪雨の中を?絶対やだ。」

      恐ろしいくらいに二度手間だ。それに家まで決して近い距離ではない。考えただけでも頭が痛くなりそうだった。
      軒先からは相変わらず地面を叩きつける雨音が響いてくる。
      空を覆う分厚い雨雲は、どこもかしこも薄まるような気配をみせることなく重く広がっていた。

      「・・・せめて篠様が気づいてくれればなぁ・・・」

      「篠雨殿が?」

      恋鞠がぼそりと呟いた言葉の意味を捉えかねて、永雛が聞き返す。

      「いや・・・ボク達が立ち往生してるの気づいてくれれば、雨なんとかしてくれるかなーって」

      「ふむ・・・試してみるか?」

      「え?」

      何を、と恋鞠が聞き返す前に、永雛はボシュッと音を立てて寄り代から抜け出た。

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