†*羽鈴*†さんとモバ友になろう!
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- 2015/7/19 15:46
- 萌えcan百物語企画
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――――"その場所"は、突如として現れるのだそうだ。
よく晴れた日の夕暮れ時、世界が朱色に染まっている時間帯。
人や街並みが長い長い影を伸ばしてあるところに静かに存在するらしい。
沈みゆく太陽に逆らうかのように、他の影とまったく真逆の方向へと伸びる影が、1つだけ現れる時がある。
それは木の影だったり電柱の影だったりと様々ではあるが、細く長い影らしい。
そして、その不思議な影が普通の影と重なる場所――――交差した十字部分に足を踏み入れた者は、誰にも気づかれることなくいつの間にか消えてしまうのだそうだ。
音もなく、なんの気配もなく、静かに吸い込まれるように消えてしまう。
そして、何事もなかったかのようにその不思議な影もまた、いつの間にか消えているのだそうだ。
その不思議な影に気づく人はおろか、消えてしまった人々が戻ってきたことも今のところ無いという。
いつしかそれは『十字影の神隠し』と呼ばれるようになった。
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以前聞いた不思議な話。都市伝説なのか怪談なのか微妙なところだけど、夕暮れ時にはご注意を。