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    • 2008/9/23 22:44
    • 単なる自己満足で
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      ひらり。
      ひらり。
      翅がゆく。
      翠の翅が。
       
      その、漂うような飛行の様を追っていた。
      白く白く霧掛かった頭の中には気まぐれに羽ばたく翅から降り注ぐ言葉の鱗紛。
      ほんの一瞬まばゆく翠に輝いてみてはまた消え逝く。
       
       
      人の夢のうちに胡蝶となるか。
      胡蝶の夢のうちに人となるか。
       
       
      僕は何やらやけに気分がよくて殆ど上の空に呟いた。
       
      どちらでもいい、と。
       
      僕が胡蝶であれば。
      その片翅は間違いなく凪だろう。
      僕が人であるならば。
      手をとるのはやはり凪しかいない。
       
      離れるなんて有り得ない。
       
      独り言のつもりだった。
      翠色の翅も、夢の話も、どこか遠いもののようで。
      壊れるとは思ってもみなかった。
       
      だのに。
      それは不意に起こる。
       
       
      では離すな!
      一度離れれば再び見える事はないと思え!!
       
      世界を揺らす粗い言葉。
      次いで蝶が燃える。
       
      翠の燐光。
      膨れ、弾けて……。
       
       
       
      一瞬にして視界を埋めた翠は熱を持たず、唯痛みもなく僕の意識を、力を、全てを焼き斬った。
      僕は薄れゆく意識の中感覚の無くなった手を力一杯握り続ける。
       
      凪。
       
      浮かんだのは唯一、大切の名前。
       
       
       
       
      はたして。
      目覚めた僕の手は虚しく草の根を握り締め、それでも足りないと掌にまで爪痕を残していた。
       
      キリリ。
      空気に触れてすら痛む傷口。
      じわり遠慮がちに滲み始めた血の朱すら、誰か……誰かのもののように感じて。
       
      「………っ!」
       
      心奥。
      聞き取ることさえできない、ただ雑音のような声が心の芯とも呼べるような、大切な部分を焦がした。
       
      探さなければ。
       
      得体の知れない孤独感を残して。
       
       
      .

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