やみー77さんとモバ友になろう!
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- 2012/9/29 12:36
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- 真夜中の3時、滅多に鳴らない彼の携帯電話が鳴動しだした。
彼は着信音で目が覚めた。
ディスプレイには“公衆電話”と表示されている。
イタズラ電話で無い限り、公衆電話から彼に電話をしてくるのは只一人。
友人の“K”だけだ。
(こんな時間に録な内容じゃあないな)
そう思い携帯の電源をオフにした。
翌日の昼頃、再び彼の携帯ディスプレイに“公衆電話”の四文字が浮かび上がる。
彼(以下Xと呼ぶ)は一瞬躊躇ったが電話に出た。
K「X、頼む一週間程お前の家に泊めてくれ」
X「意味が分からんね。」
K「仲間だと思っていた奴から裏切られた。彼女からも捨てられた。」
X「またクスリが原因だろ。いい加減にしろ。」
K「頼む、もう一週間近く何も食べてない。こんな時ばかり電話をして本当にすまない」
X「しょうがない、2~3日なら泊めてやるよ」
Kはドラッグが原因で入院歴も有り、一度立ち直り結婚もし、子供も産まれたのに再発させて離婚。
再び更正し、モデルの子を捕まえたのに、また過ちを繰り返したようだ。
ただ、彼は墓場まで持って行かなくてはならない恩義をKから一つ受けていた。
K「助かる。金が全く無いので新宿まで迎えに来てくれないか」
X「甘えるな。金が無いのに何でライターの摩擦音がするんだ」
K「シケモクだよ」
X「得意のタクシーただ乗りしてでもこっちへ来い」
K「今の状態でできる分けないだろ」
X「… 前の嫁さんの所に行くのは無理なの?」
K「それだけは出来ない。俺はアイツ(捨てられたモデルの子)がまだ好きだ。
それをしたらアイツを裏切る事になる。」
その言葉を聞いた時、彼は新宿まで迎えに行こうと思った。
- 真夜中の3時、滅多に鳴らない彼の携帯電話が鳴動しだした。