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    • 2011/3/16 20:14
    • 【全く】地震・3【気付かなかった】
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    • 次に、少年は道の大きな変化を発見する。

      「あれ、信号が……」

      そう、停電により、目にする信号全てが停止していたのだ。

      震源地に近い地域の信号はポッキリ折れていたらしいが、比較的被害の少なかった秋田県のそれは、立ったまま眠るだけにとどまっていた。

      どちらにせよ、信号が機能しないのは大きな問題だ。彼らが少しサボるだけで交通の均衡が乱れ、無惨な事故が誘発される。

      で、そんな危険な道路の横を走っている少年のコメントは以下の通りだ。

      「光が…光が見えない…。くふ、中二病かよ」

      これである。さらに少年は、信号が機能していないのを停電ではなく視界の悪さが原因だと判断していた。

      いやはや。半断食で養分が足りていなかったにしろ、頭の中で『早く吹雪から逃れたい』という意思が最優先にされていたにしろ、彼の鈍さには逞しさすら覚える。

      気持ちを無理矢理奮い立たせ、少年はゆっくり進んでいく。3分程たった頃、目の前にレンタルビデオ屋が見えてきた。

      勿論、停電している。

      そこの雨避けに一時避難しようと自転車を止め、雪が当たらない場所に移動する。

      雪と水蒸気で真っ白になった眼鏡をダウンジャケットの裾で拭いて、また一言。

      「おかしいな、今日休みだっけ。金曜日だろ…?」

      作り話?違う。偽り無しのノンフィクション。これぞ、鈍さを極めた少年の真骨頂なのだ。

      五人の少女に好意を寄せられているのに全く気付いていない某アニメの主人公を散々に罵倒していたこの少年も、今となっては形無しだ。当の本人に自覚は無いが。

      「すみません、お客様。返却ですか?」

      店員が出てきた。

      「え?あ、違います。雨…じゃないな。雪宿り、みたいな感じですね。ハイ」

      「そ、そうでしたか。店内で休まれては?」

      「いえいえ、すぐ出ていきますので。わざわざありがとうございます」

      休みと決め付けていた店から店員が声をかけてきたのすら不審に思わず、少年は食料を確保するためにファーストフード店があるデパートへ向かった。

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